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No.45
2011/02/14 (Mon) 22:07:25

ヤマもオチもないショートショート。
バレンタインが終わらないうちにどうぞ。。

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「これ、今日中に片付くの?」
 机の上に散乱した書類を見ながら、綱吉は深いため息を吐いた。
 昨日も同じような事を言って、結局寝落ち寸前まで机にかじりついていた。
 今日も今日とて状況は変わらない。
 広がる書類の数々に、辟易していると、新しい書類を持った側近がやって来た。
「ボス、追加です」
 ドサッと机に置かれた書類の束に、目元を覆った。
「ボス?」
「いや、なんでもない……」
「そうですか、ではよろしくお願いします」
 ここしばらく毎日同じような状況の繰り返しだ。
 それというのも、数週間前に起きたイザコザの解決に時間を食ったため、その間に滞った書類業務が山積みになってしまったからだ。
 とにかく数をこなさなければならないのはわかっている。
 わかってはいるのだが、どうしたって投げ出したくなる時はあるのだ。
 サインのしすぎでいい加減手が痛くなってきた。
 時計の針はとっくに定時を過ぎている。
 そもそもマフィアに定時も何もないのだけれど、なんとなく仕事上がりの時間というのは存在しているのだ。
 そうでなければ、おちおちデートの約束もできやしない。
 側近たちは隣の部屋で綱吉同様、書類に埋もれている。
 ボスとして部下をないがしろにするわけにはいかない。
「って、わかってはいるんだけどね……」
 綱吉はつぶやき、メモを一枚書いて破ると、机の上の一番目立つところに置いた。
 勿論風で飛ばないように、ペーパーウェイトでちゃんと抑えている。
 大きく窓を開け放ち、おもむろに手袋をはめた。
 窓の外に見えるのは、気持ちの良い森の木々だ。
 ビルにして7階程度の高さにあたるこの部屋は、窓を開けると強い風が吹き付けてくる。
 快いと感じる風と、森の空気を目いっぱい吸い込んだ後、いつでもポケットに常備している錠剤を取り出して、口に含んだ。
 その時、執務室のドアが開いて、再び側近が顔を出した。
「ボス、追加……」
 言いかけた側近が窓際に立つ綱吉を見て、目を見開く。
「ボスっ!!」
 側近が追いつく前に、綱吉は窓から飛んだ。

 ――Buon San Valentino! vi amo!


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たぶんこの後、京子ちゃんとデートです。
綱吉の凶悪なところは、最後に「vi amo!(みんな愛してる)」を付けたところ。これで誰も怒れない(笑)
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